一流の頭脳

一流の頭脳

 

最近のベストセラーに「スマホ脳」という本がありました。

おおよその内容は、スマホには依存性があり使いすぎに要注意といったことでした。

この本の著者であるスェーデンの精神科医アンダース・ハンセン氏が2016年に著した「一流の頭脳」を紹介します。

 

この本での主張は一言でいうと「運動が一流の頭脳を作る」というものです。

「運動」は、知能、集中力、記憶力、認知力などを強化し、ストレスや疲労をやわらげ、長寿にもつながり、まさにいいことずくめなのです。

さらに、高血圧、糖尿病、内臓脂肪(メタボリック症候群)などの生活習慣病の予防や治療にも有効とのことです。

お金のかからない良薬である「運動」を利用しない手はありません。

 

運動による記憶力増強については、最強の脳物質と呼ばれる「BDNF(脳由来神経栄養因子)」が脳細胞の生存や成長を促し、脳の細胞間のつながりを強化し、学習や記憶の力を高めています。

心拍数が上がるような「有酸素運動」をすると、このBDNFが増えることがわかっています。

 

このBDNFが最も多く生成されているのは、記憶の中枢である「海馬」です。

海馬は加齢とともに1年間で1%ずつ小さくなっていきますが、週に3回、40分間、早足で歩くことを1年続けると、海馬が2%以上も大きくなり、「短期記憶」と「長期記憶」がともに改善されることがわかりました。

 

ポイントは運動の強度であり、早足での歩行や軽いジョギングのような、心拍数が上がり軽く汗ばむ程度の運動が最適です。

尚、心拍数が上がらないような軽すぎる運動では海馬に変化はないようです。

また、逆に疲労を覚えるほどの激しい運動は、脳への血流を減らし、少なくとも「短期記憶」という点では良くないようです。

 

もちろん、足腰が丈夫でない方や、心肺疾患をお持ちの方は上記のような負荷のかかる運動は無理かもしれません。

あくまでも自身の体力に合わせた運動が大切であり、急に運動を始めると体がついていかなかったり、三日坊主になったりしますので、少しずつから始めて、徐々に運動強度を上げるのが良いでしょう。

 

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